新町建設計画 (案) 1P
序章  はじめに
1.計画策定の趣旨
新町建設計画は、新町の住民と行政が一緒に新しいまちづくりを進めるための基本となる計画です。
この計画は、合併して誕生する新しい町をどのように創っていくか、この新しいまちづくりをどのような価値観を持って臨むことが必要なのかを考え、新町の"地域らしさ"を具体化することを目的とするものです。
また、この計画は大飯町と名田庄村が共存を図りながら発展し、新町におけるまちづくりと一体的な活動を、速やかに行うために策定されるものです。

2.計画の構成
新町建設計画の構成は、新町におけるまちづくりの基本方針を示す『将来構想』と、基本方針を実現するための『主要施策』、『公的施設等の配置・整備の方針』、『財政計画』によって構成されます。

(1)将来構想
将来構想は、新町のまちづくりに向けた基本姿勢と将来あるべき姿を構想し、住民と行政が一体となって創造していこうとする新しい町の全体像を示すものです。
また、まちづくりの目標として、将来像を達成するための基本方針と骨格的な地域構造のあり方、それぞれの地域が担う役割と相互の連携について、基本的な考え方を示します。

(2)主要施策
主要施策は、将来構想における基本方針に沿って、それぞれの方針を実現化するための各種施策を示すもので、合併後のまちづくりの根幹となる主要事業を掲げます。
また、新町における事業のみではなく、福井県と連携して事業化を図るべき主な事業を掲げます。

(3)公的施設等の配置・整備の方針
公的施設等の配置・整備については、現状における施設用途をふまえ、合併後の効率的、有効的な活用について検討し、統合、新たな用途における活用、複合的用途に供する公共施設への移行、新設すべき公共施設等の区分を設け、対象となる主な施設についてその考え方を示します。

(4)財政計画
財政計画については、両町村におけるこれまでの財政状況や将来の予測に従い、合併後の財政状況の推移について試算するとともに、これまで具体化された個別事業費等を加算した将来の財政見通しについて考察するものです。
第1章  時代の潮流
1.自治体を取り巻く現状
今日、わが国では、これまでの制度や枠組みにとらわれない新しい社会のあり方が問われています。この背景には、少子高齢化や国際化の急速な進展、男女共同参画社会の推進、地球環境保全への対応、国民の価値観や生活様式の多様化、高度情報化の進展等があります。
また、わが国全体の大きなうねりとして、産業構造の変化や分権型社会づくりのための地方行政の変革も挙げられます。
これらは、時代の潮流として、私たちの生活に大きな影響を及ぼし、今後ますますその度合いを深めることが予想されることから、先見性を持って対処していくことが必要です。

(1)地方分権と独自の地域づくり
地方分権は時代の大きな流れであり、地方自治体の権限と責任は大きく拡大しています。地域の自主性、自立性を確立し、新たな地域経営という視点から独自の地域づくりを実施する必要があります。地方自治体では、多様な人材を育成し、企画部門を拡充するなど、行政能力の向上が求められています。

(2)少子高齢化の進展
少子化の進展により人口減少が進むとともに、超高齢社会が到来すると予測されています。こうした中で、生きがいとゆとりを持って暮らすことができ、安全で安心して生涯を送ることができる地域づくりが求められています。生産人口の減少に伴い、行政需要を賄うための財源確保は困難となる一方、医療・福祉などに要する費用が財政に大きな負担となることが、大きな課題になると見込まれています。
また、次代を担う子どもたちの権利を守り、人間として健やかに生きていけるよう支援し、社会性を育むことができる家庭、学校、地域づくりが、これまで以上に求められています。
日本の人口は、次のように推移し、その構成は少子化と高齢化へ進むと予測されています。

(3)生涯にわたる健康づくり
高齢化が進展する中で、生活習慣病、ガン等の疾病が増加する傾向にあります。
壮年期における健康管理を行い、住民が生涯を通して健康で明るく、生きがいをもって生活できるように生活習慣の改善を図る必要があります。健康づくりに対する関心が高まる中で、地域において住民の生活に適応した対策が求められます。

(4)産業構造の変革
我が国の産業構造は、ソフト化やサービス化への転換がさらに進むと予想されます。国際化の進展に伴い、国内外の競争がいっそう激化することから、技術革新や新たな産業の創出等が求められています。

(5)男女共同参画社会の推進
少子高齢化の進展など、私たちの社会生活をめぐる状況が変化する中で、性別によって役割分担を固定的に考えるのではなく、家庭、学校、職場、地域等あらゆる場で、それぞれが個性と能力を発揮できる社会づくりが必要となっています。

(6)高度情報化社会の進展
近年の情報通信技術の発達に伴い、携帯電話やインターネット、家庭用パソコン、ケーブルテレビが急速に普及し、日常の生活にコンピュータが欠かせない社会が訪れています。
高度な情報技術が社会のさまざまな面で活用され、誰もが自由に情報を受発信できる環境づくりを推進するため、地方においても情報通信基盤の構築や行政事務の電子化が一層求められます。

(7)地域交流時代への対応
高速道路網の整備や情報通信技術の発達により、人・もの・サービス・情報が自由に往来する交流時代を迎えています。
こうした状況を念頭に、ただ一つの魅力的で文化的なまちを目指し、世界的な交流活動の場で活躍できる人材が必要となります。このような人材を確保するため、地方自治体や企業等においても国際感覚の高揚を図る取り組みが求められています。

(8)環境循環型社会への対応
成熟型社会を迎え、社会経済の仕組みや個人の生活様式を転換するなど、環境への負荷を軽減し持続的発展が可能な循環型社会を確立することが求められています。山の緑でかん養された豊かな水が豊饒の海を育てる考え方のもと、恵まれた自然環境を活かした省資源化・省エネルギーを進めるだけでなく、リサイクルの推進や廃棄物の適正処理など、資源循環が図られる社会づくりを進める必要があります。

(9)地域防災体制の強化
阪神・淡路大震災以降、東北、北海道で地震が相次ぎ、平成16年10月には新潟県中越地震が発生し、農山村でも大きな被害が出ました。また、平成16年は例年をはるかに上回る数の台風が日本に上陸し、福井県下でも繰り返し被害に見舞われました。災害に脅かされない安全な地域づくりは、これまでも大きな課題でした。特に、自然が引き起こす災害への備えをさらに進めるとともに、防災に対する住民の意識を高め、災害に強い地域を形成していく必要があります。

(10)成熟型社会への移行
生活水準が向上し、余暇時間が増大したことに伴い、価値観の変化、生活様式の多様化などが進み、これらに対応する広範で多様な行政サービスが求められています。


2.市町村合併を取り巻く国及び県の動向

(1)国の動向
国では、平成18年3月までに合併を行う市町村に対して、合併特例法による特例や地方財政措置等による支援策を掲げ、合併を積極的に推進しています。
政府は合併支援本部を設置し、法定協議会運営マニュアルの作成を進め、都道府県では重点支援地域の指定や合併支援本部を設置するなど、市町村合併に対する積極的な取り組みを実施しています。

(2)全国の市町村合併の動向
全国の市町村合併の動向は次のとおりです。

・合併状況
平成16年4月1日から平成16年10月1日までに、144の市町村が合併して42の市町が成立(平成16年10月1日現在の市町村数は 3,030)

・大臣告示済みの合併予定
平成16年10月28日現在、76市町が告示済み(告示済み市町村が合併した場合の市町村数は 2,775)

・大臣協議済みの合併予定
平成16年10月28日現在、121市町が大臣協議済み(大臣協議済み市町村が合併した場合の市町村数は 2,620)
※市の新設の場合は総務大臣に事前に協議が必要

・法定協議会の設置数
全市町村の6割を超える市町村が法定協議会に参加
(10月25日現在の設置数は589協議会、1,853市町村、61.6%)

(3)福井県の動向
県では、平成11年8月に国から示された「市町村の合併の推進についての指針」に基づき、市町村が自主的に合併を検討する際の参考や目安となる「市町村の合併の推進についての要綱」を策定するにあたり、平成12年5月より6回にわたって福井県市町村合併要綱検討懇話会を開催しました。福井県知事に提出された福井県市町村合併要綱県懇話会報告書を基に、平成12年12月25日に「福井県市町村合併要綱」を策定しました。その内容は、合併情報の提供、研究や意識啓発、財政的・人的支援などです。
合併後の支援については、市町村の行財政運営など、懸念される課題の解決に向け総合的な支援策の具体化に向けて検討しています。
なお、大飯町、名田庄村の合併については、県の合併重点支援地域に指定されています。
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